大村建築設計事務所BLOG

どうして実施設計図が要るのか?

どうして実施設計図が要るのか?


 実施設計図は、建物をイメージと通りに作り上げるのに必要です。

長い時間をかけて設計事務所と共に作りあげてきた

理想の住宅の「大枠」は基本設計図に現れています。

しかし、表現しきれていないことことも、また、たくさんあるのです。


設計事務所と住まい手はこれまで多くの時間をかけて、イメージを伝えあってきました。

しかし、初めて会う施工者にイメージを分かってもらうのは困難です。

そのため誰が見ても、イメージした通りに出来上がるよう、細部まで書き表した、

実施設計図と言うものを使う事になるのです。

実施設計図はイメージを正しく伝える、言葉に変わるものなのです。


drawImg02.gif


 実施設計図は、建物の性能を正しく確保するのに必要です。

建物は、雨や風、雪などの過酷な自然現象にさらされて、我々の暮らしを守ってくれています。

また、電気、ガス、水道、冷暖房などの設備がより一層暮しを快適にしています。

そうした、建物の性能は、正しい設計にもとづいた正しい施工がなされなければ発揮できません。

全ての工務店や職人達に正しい知識を期待することが出来れば

話は簡単なのですがそうはいかないのが現実です。


あるいは建物のデザイン上、従来のやり方では施工出来ないこともあるでしょう。

それでも性能は確保しなければなりません。

そんな場合には、その性能を確保できる新しいやり方を

細かく設計図に表現しなければなりません。

実施設計図はイメージどおりの建物に万全の性能を期待するのに必要なものなのです。



 実施設計図は、建物の値段を正しく積算するのに必要です。

前にも述べたように実施設計では、事細かに物事を決めてゆくのですが、

その内容は建物の作り方だけでなく当然材料についても決めてゆきます。


同じ材料でも質の程度、施工の方法、またメーカーや品番によって値段はかわってきます。

細かく決められた材料等を図面化する事で工事費を積算するための数量や

根拠を正確に出す事が出来るのです。

工務店の選択にあたっても競争原理のメリットが生かせます。

いくつかの工務店に対し競争入札で見積もり依頼をしても、

作るべき建物の内容に違いが生じず理想どおりの住まいを安く手に入れることができます。


実施設計図の例 :
001.gif
002.gif


pointImg.gif
設計事務所は常に美しく、調和の取れた、全体の統一を目指しています。

基本設計のときの「大枠」をくつがえす変更はもちろんのこと、

ある程度実施設計が進むとその全体の統一を、

乱すものは小さな変更でも受け入れられなくなります。

実施設計段階での変更は新たな作業依頼と考えるくらいに、

基本設計段階での慎重な打ち合わせと検討が必要です。

設計変更の希望は一刻も早く!

おそくなると変更図作成の設計料が必要になることがあります。


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